法人営業で成約率を上げるコツ|決定権者を動かす再現性ある手法
法人営業のコツをつかめず、成約率が伸び悩んでいると感じていませんか。
「決定権者になかなか会えない」
「稟議がどこで止まっているのか分からない」
決定権者や稟議への対応に苦戦する営業パーソンは少なくないでしょう。
法人営業は、個人営業と意思決定の仕組みが大きく異なります。
経験だけに頼ると、成果が安定しにくいものです。
この記事では、決定権者を見極めるヒアリングから切り返しトークまで、法人営業のコツを解説します。
東京工業大学卒業後、博報堂を経てプルデンシャル生命保険にて4年連続MDRT会員。営業所長・支社長としてマネジメントも経験し、育成メンバーの約60%をMDRT会員に育成。2019年、営業を科学することに特化した株式会社インビクタスを創業。
プロフィール詳細を見る →法人営業の基本のコツ|結果を出す人に共通する型
法人営業で成果を出す人には、共通した型があります。
決定権者の見極め方や商談の設計、担当者との向き合い方まで、基礎となる考え方を押さえておきましょう。
- 個人営業とは異なる意思決定プロセスを踏まえる
- 受注後のプロジェクトを次の商談につなげる視点で設計する
- 担当者の社内評価を高める視点を持つ
まずは、意思決定プロセスの違いから確認しましょう。
個人営業とは異なる意思決定プロセスを踏まえる
法人営業で最も重要な要素は、決定権を持つ人に会えるかどうかでしょう。
個人営業では、目の前にいる人が決定権者であるケースが多くあります。
一方、法人営業では、決定権者が別に存在する場合がほとんどです。
社長や役員に直接会えない場面では、担当者の影響力の見極めが欠かせません。
影響力を見極めた上で、担当者に合わせた進め方を選ぶことこそ、法人営業の基本といえるでしょう。
受注後のプロジェクトを次の商談につなげる視点で設計する
半年間のプロジェクトを、1つの区切りとして捉える考え方があります。
例えば、初月にキックオフを行い、3ヶ月目に中間報告、半年目に成果報告という流れです。
各区切りで、担当者に成果を実感してもらうことが重要です。
区切りの後に評価され、次の仕事につながるかどうかを意識しながら進めます。
成果報告の場では、見えてきた新たな課題を伝え、次のご支援を提案することがポイントです。
区切りまでに何をすべきかを逆算する設計こそ、成果を左右するコツです。
受注後にプロジェクト単位で区切りながら信頼を積み上げる進め方は、プロジェクトマネージャーの視点を法人営業に応用したイメージです。
長期的な信頼関係を、段階を追って積み上げていく発想が欠かせません。
担当者の社内評価を高める視点を持つ
法人営業では、プレゼンの上手さよりも、担当者が上司に説明しやすくなる工夫が重要。
稟議書を整えたり、担当者が話しやすい言葉を一緒に考えたりする姿勢が求められます。
担当者と一緒に出世を目指すという意識を持てば、関係性は大きく変わるでしょう。
担当者が、営業パーソンと組むことで自分の評価が上がると感じてもらえれば、稟議への協力も得やすくなります。
成果を後押しする姿勢こそ、信頼構築の近道。
決定権者を見極め、稟議を通すためのヒアリングのコツ
担当者の信頼を得たら、次は決定権者や稟議の状況を具体的に把握する段階です。
質問の仕方を工夫するだけで、商談の精度は大きく変わります。
- 目の前の担当者の決裁権を見極める質問をする
- 予算取得の段階を確認する
ここから、具体的な会話例とともに紹介します。
目の前の担当者の決裁権を見極める質問をする
商談の早い段階で、決裁権の範囲を確認しておくことが重要です。
例えば、次のような聞き方が有効でしょう。
営業パーソン「本日のお話は、社内で稟議に上げていただく流れになりますか」
担当者「そうですね、一応上長には報告する形になると思います」
営業パーソン「差し支えなければ、どこまでご判断いただけるお立場でしょうか」
率直に尋ねる姿勢こそ、法人営業のコツの一つでしょう。
予算取得の段階を確認する
決裁権とあわせて、予算の状況を確認することも欠かせません。
具体的には、次のように尋ねてみましょう。
営業パーソン「今回のご予算は、すでに確保されている状態でしょうか」
担当者「いえ、今後確保しに行く段階です」
営業パーソン「承知しました。社内でご説明しやすい資料をご用意しますね」
予算の段階が分かれば、次回の提案内容やお願いの仕方を調整できます。
数字ではなく状況を聞く質問こそ、信頼関係構築の第一歩です。
法人営業で先延ばしにされたときの切り返しトーク
法人営業では、先延ばしの言葉を投げかけられる場面が数多くあります。
言葉に流されず切り返すトークを持っておくことで、商談の停滞を防げます。
- 「決算が見えてから」と言われたときの切り返し
- 「忙しくて時間がない」と言われたときの切り返し
- 「パートナーに相談したい」と言われたときの切り返し
- 「役員会にかけます」と言われたときの切り返し
- 「税理士に相談する」という逃げ道を塞ぐ切り返し
代表的な5つの場面を、会話例とともに紹介します。
「決算が見えてから」と言われたときの切り返し
経営者からよく聞かれる先延ばしの言葉の一つが、決算を見てからという一言です。
テストクロージングとして、次のように問いかけてみましょう。
営業パーソン「もし始めるとしたら、決算が見えてからにされますか、今のタイミングで始められますか」
経営者「決算が見えてからがいいかな」
営業パーソン「決算は、今からそんなにブレるものでしょうか」
経営者「まあ、そう言われるとブレないね」
営業パーソン「多くの経営者様が、早めに着手した方がいいとおっしゃいます。いかがでしょうか」
相手自身の言葉で納得してもらう流れこそ、切り返しトークのポイントです。
「忙しくて時間がない」と言われたときの切り返し
研修や新しい取り組みの提案に対して、忙しくて時間が取れないと断られる場面もあるでしょう。
こうした場面こそ、価値観を転換させる切り返しが有効です。
営業パーソン「売上が下がって暇になってから焦って取り組んでも、正直遅いですよ。忙しくて上手くいっている今だからこそ、次のチャレンジに向いているタイミングです。弊社も、忙しい時期こそ新しい挑戦をしています」
忙しさを理由にした先延ばしを、投資すべきタイミングだという発想に変える切り返しです。
「パートナーに相談したい」と言われたときの切り返し
共同経営者やビジネスパートナーへの相談を、頭ごなしに止める必要はありません。
ただし、営業パーソンが論点を整理しないまま担当者を送り出すと、情報が正しく伝わらず失注につながりやすくなります。
営業パーソン「かしこまりました。パートナー様には、どんな点を中心にご相談されますか?金額の面か、成果が出る確度の面か、整理してからお伝えいただくと話が早いかと思います」
相談の前に論点を整理し、宿題として持たせることが鉄則です。
「役員会にかけます」と言われたときの切り返し
商談の最後に役員会にかけますと言われる場面は少なくありません。
承知しました、ご連絡をお待ちしておりますとだけ答えて引いてしまうのはNGです。
営業パーソン「差し支えなければ、役員会では金額と成功確率、どちらが論点になりそうでしょうか?次回までに、どんな結果をいただけると話が進みやすいか、整理させてください」
何を検討し次回どんな結果を持ち帰ってほしいかを、宿題として渡すことが重要です。
「税理士に相談する」という逃げ道を塞ぐ切り返し
顧問税理士へ相談すると言われた際、営業パーソンが対応を相手に任せきりにしてしまうと、失注のリスクが高まります。
内容を理解していない専門家に反対され、話が止まってしまうケースがあるためです。
営業パーソン「社長からご説明いただくのはお手間かと思いますので、私も同席してご説明しましょうか?」
専門家へのプレゼンの機会を、自ら作りにいく姿勢がポイントです。
まとめ
法人営業のコツとして、本記事では決定権者の見極めと、社内での信頼構築、そして切り返しトークを紹介してきました。
決定権者に会えないときは、担当者の影響力と稟議のプロセスを見極めることが第一歩です。
担当者と一緒に出世を目指す意識を持てば、稟議の通過率も自然と高まるでしょう。
先延ばしの言葉には、相手の心理に沿った切り返しトークで対応しましょう。
明日から取り組めるアクションは、次の3つです。
- 商談の早い段階で、決裁権と予算の状況を確認する
- 担当者と一緒に出世を目指す意識で、稟議のサポートをする
- 先延ばしの言葉に備えて、切り返しトークをあらかじめ用意しておく
法人営業のコツは、センスではなく、日々の会話の中で磨ける技術です。
一人の工夫を、次の商談にも活かしていきましょう。
自社の営業チームに合った、組織の型作りについて相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。