
売れる営業は「ストーリー」で心を掴む!共感を生む自己紹介を解説
お客様との関係構築において、「自己紹介」こそが信頼関係の基盤となり、成約率やクロージングのスピードに大きな影響を与えます。効果的な自己紹介の方法と、特に「ストーリー」を活用した自己表現の重要性について解説します。
営業活動において、お客様との関係構築や課題のヒアリング、サービスの提案など、様々なプロセスを経て最終的にお客様に購入や契約の決定をしていただくことを「クロージング」と呼びます。
クロージングは営業プロセスの最終段階であり、ここで成果を出せるかどうかが営業マンの能力を大きく左右します。
この記事では、クロージングがうまい人の特徴やトーク術について、具体例を挙げつつ解説していきます。
営業活動を頑張っているのに成約に至らない営業担当者には共通点があります。
多くの場合、「断られる勇気がない」という心理が働き、「検討します」「考えてみます」という曖昧な返答を得たまま商談を終えてしまいます。
また、「お客様の不安要素」を解消できていないのも、苦戦する理由の一つです。
お客様が購入を迷う理由は、主に「もっと安いものがあるかもしれない」「もっと良いものがあるかもしれない」「この営業マンを信じていいの?」などの不安があるからです。
つまり、お客様は「損をしたくない」のです。
こういった不安要素をきちんと解消できていないと、成約には至りません。
これが成果につながらない主な原因であり、成績の良い営業マンは意識しているかどうかにかかわらず、クロージングがしっかりできている人が多いのです。
クロージングがうまい人には、共通する特徴があります。
以下の3つの特徴を理解し、自分のものにすることで、クロージング成功率を高めることができるでしょう。
クロージングがうまい人は、商談の最初から最後まで、お客様から小さな「YES」を引き出し続けています。単に「はい」という言葉を引き出すことではなく、顧客の脳内にポジティブな感情と共感を生み出していきます。そして、「小さなYES」を積み重ねていくことで、最終的に「大きなYES」をつかみ取るのです。
詳しくは他の記事で解説していますので、以下をご覧ください。
>>【関連記事】小さなYesを積み重ねる「イエスセット」とは?セールスにおけるポイント3選
クロージングがうまい人は、お客様から結論をもらうことを恐れません。
商談のクライマックスであるクロージングは、体力も気力も使い、相手の結論を真摯に受け止める度量も求められるシビアな場面です。
しかし、曖昧な状態のまま商談を終えることは、お客様にとっても営業にとってもメリットがないことを理解しています。
たとえ断られることになったとしても、それは次に進むための明確なサインと捉え、感謝を伝えて次のお客様に向かう潔さを持っています。
この「断られても大丈夫」という心理的な余裕が、逆に成約率を高めることにつながるのです。
クロージングがうまい人は、お客様からの返答パターンを予測し、それぞれに対する切り返しトークを事前に準備しています。
「考えます」「比較したい」「相談します」といった典型的な保留・回避の返答に対して、あらかじめ対処法を用意し、練習しているのです。
こうした準備によって、即興で対応するよりも自信を持って会話を進めることができます。
また、準備したトークは経験とともに洗練され、お客様の反応に合わせて臨機応変に調整できるようになります。
つまり、型を知った上での応用が、クロージングがうまい人の強みなのです。
では、クロージングがうまい人は、お客様が「検討したい」「相談したい」といった反応を示した際に、どのように対応するのでしょうか。
いくつかの会話のポイントを、具体例をあげて見ていきましょう。
お客様が「考えたい」「今日決めなくても大丈夫」と言う場合、クロージングがうまい人はまずその意向を一度受け止めます。
その上で、提案内容にどの程度納得しているのか、そして「始めた方がいい」「いますぐやるべき」といった必要性・緊急性を感じているのかを再確認する質問を投げかけます。
例えば、「ここまでの話を聞いていただいて、感覚で構いませんが、これは始めた方がいいな、やった方がいいなという風には思ってくださってますか?」のように、お客様自身に「やるべき」という認識を引き出すような問いかけを行います。
また、「持って帰って考えたい」というお客様に対しては、「明確な判断基準ってあったりしますか?」と問いかけることで、多くのお客様が判断基準すら持たないまま時間が経過し、結局何も進まないケースが多いことを示唆できます。
これにより、その場で判断することの重要性をお客様に気づかせるのです。
お客様が「何社か話を聞いてみたい」と他社との比較を希望する場合、クロージングがうまい人は、実際に他社を比較したお客様が「結局どこの会社の営業の話を聞いてもいろんな人がいろんなことを言う」「結局よくわからなくなってしまった」という経験をすることが多いと伝えます。
そして、「回り回って戻ってきて連絡くださる方が非常に多い」という経験談を共有することで、他社比較の手間や混乱する可能性を示唆します。
その上で、内容に納得していることに加えて、担当者である自分自身を信頼してくれているかが重要であることを強調します。
自己開示を適度に行い、「身近」で「他の営業マンとは違って寄り添ってくれる人」だと感じてもらうことが信頼獲得につながります。
そして、「ここまで話を聞いていただいて、私のことを担当として信頼してくださっているのであれば、この内容で一緒に将来を見据えて進めていきたいと思うのですが、改めていかがでしょうか」
のように、担当者自身が他社との差別化要因であり、一緒に将来を築いていくパートナーであることを示唆してクロージングを行います。
高額商材においては特に、「誰から買うか」が非常に重要なポイントになるのです。
特に高額な商材の場合、お客様が「身内に相談してから決めたい」など、第三者への相談を希望することがあります。
クロージングがうまい人は、身内などを信頼できる存在であると認めつつも、お客様自身がその第三者に資料を共有し、専門的な内容を説明することの具体的な手間や難しさを示唆します。
例えば、親御さんに電話で説明する際に「当該物件は何区何町何丁目の何番何号でこんな内装で…説明するつもりですか?」のように、具体的な説明内容を挙げることで、「ちょっとめんどくさいですね」とお客様自身に相談のハードルを認識させます。
これにより、その場で判断を進める方がスムーズである可能性を感じ取ってもらうことを目指します。
クロージングがうまい人は、単に話し上手なのではなく、顧客視点に立ち、ニーズを的確に捉え、効果的なコミュニケーションを行う能力を持っています。
テクニックに頼りすぎず、顧客との信頼関係の構築を優先し、その場の雰囲気を見極めて適切に対応することが鍵となります。
お客様の検討や保留の意向に対して、その背景にある心理を理解し、適切な問いかけや情報提供を通じて、お客様自身に「その場で決めることの合理性」や「担当者への信頼」を認識させる会話術を持っています。
そして、その会話術は、断られることを恐れない勇気に裏打ちされているのです。
こうした会話のポイントを日々のロープレで練習し、実践を重ねることで、あなたもクロージングがうまい人へと成長し、営業成績を飛躍的に向上させることができるでしょう。
説明しすぎず重要点に集中し、メリハリをつけて話し、重要な説明は繰り返すことも意識しましょう。