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KNOW-HOW

「営業に再現性がない」を解決!属人化を脱却する4つの構造

#人材育成#営業スキル向上#営業効率化

「あの人だから売れる」「営業はセンスだ」こんな言葉が飛び交う組織に、心当たりはありませんか。

エース社員に売上が集中し、新人はなかなか育たない。また、キーマンが退職すれば、業績がガクンと落ちる不安を抱えている。営業に「再現性がない」状態は、経営者にとって深刻なリスクです。そして、この状態を放置すれば、組織は確実に崩壊へと向かいます。

実は、営業に再現性がない原因は「才能」や「センス」の問題ではありません。構造の問題なのです。この記事では、再現性が低い原因と、属人化から脱却するための具体的な方法を解説します。

営業における「再現性がない」とはどういう状態か

再現性とは、誰がやっても、いつやっても、同じような成果が出る状態を指します。営業における再現性とは、担当者のスキルや経験に依存せず、一定の成果を生み出せる仕組みがあることを意味します。

逆に「再現性がない」組織では、特定の人材に成果が偏り、ノウハウが属人化してしまうのです。

属人化とは、特定の人しかできない・分からない状態のこと。ただし、属人化そのものが悪いわけではありません。

問題は、成功ノウハウが「ブラックボックス化」してしまうことにあります。なぜ売れるのかが分からなければ、他のメンバーに展開できず、組織の成長に天井ができてしまうのです。

なぜ営業組織に再現性が生まれないのか

「再現性がない」状態が生まれる根本原因は何でしょうか。次の3つの原因に整理できます。

  • 営業プロセスが可視化されていない
  • 成功パターンが言語化されていない
  • 仕組みを回し続ける体制がない

それぞれ順番に解説していきます。

営業プロセスが可視化されていない

「とりあえず訪問」「なんとなく説明」で終わっている組織は少なくありません。

購買心理の変化(無関心→不満の認識→解決欲求→決断)を理解せず、各段階のゴールが曖昧だと、成功しても「なぜ成功したか」が分かりません。失敗しても「どこが悪かったか」を特定できず、改善が進まないのです。

例えば、初回訪問で「契約を取ろう」とするのは、お客様がまだ「無関心」な状態なのに「決断」を迫っているようなもの。プロセスと顧客心理が噛み合っていないのです。

>>【関連記事】買いたいと思わせる心理学!トップセールスが使いこなす購買心理を解説

成功パターンが言語化されていない

トップセールスの「なぜ売れるのか」を解明していますか?「あの人は話がうまいから」「人柄がいいから」で片付けてはいないでしょうか。

感覚的な理由で終わると、他のメンバーが真似できず、ノウハウは個人に留まります。

仕組みを回し続ける体制がない

マニュアルを作っても、誰も見ない。研修をやっても、1週間で忘れる。管理職がプレイヤーに徹してしまい、育成に時間を割けないケースも多いでしょう。

仕組みは「作る」だけでなく「回し続ける」体制がなければ機能しません。マネージャーの役割を明確に定義し、継続的なトレーニングの時間を確保する必要があります。

再現性を生む4つの構造

弊社では、営業は根性ではなく科学であると考えています。属人化から脱却し、再現性のある組織を作るには、主に4つの方法を実践する必要があります。

  1. プロセスの可視化 – 営業の各段階にゴールを設定する
  2. 暗黙知の言語化 – 「センス」を「型」に変える
  3. 型化と反復練習 – 知識を「使える技術」に変える
  4. マネジメントの仕組み化 – 回し続ける体制を作る

それぞれ順番に解説していきます。

①プロセスの可視化営業の各段階にゴールを設定する

営業プロセスを分解し、各段階のゴールを明確に設定しましょう。顧客の心理変化を軸に考えると効果的です。無関心から不満の認識、解決欲求、そして決断へと顧客心理は変化します。

たとえば、初回訪問のゴールは「契約」ではありません。「現状の不満を共有し、解決策を聞きたいと思わせること」が適切なゴールです。次回アポイントの約束が取れれば、初回訪問は成功と言えます。

プロセスが可視化されると、どこでつまずいているかが分かり、改善すべきポイントが明確になります。

②暗黙知の言語化 – 「センス」を「型」に変える

トップセールスがやっていることを「技術」として分解しましょう。感覚的なスキルを、誰でも真似できる「共通言語」にすることが重要です。

例えば、「大事なことは相手に言わせている」「感情を動かすストーリーで語っている」など。言語化できれば、教えられます。教えられれば、組織全体に展開できるのです。

「センス」を「型」に変換することで、再現性が生まれます。

③型化と反復練習知識を「使える技術」に変える

言語化した型を「台本(スクリプト)」にしましょう。徹底的な反復練習(ロールプレイ)で「体が覚える」状態を目指します。特に、動画撮影による客観的な振り返りは効果的です。

台本があると、何を話すかに脳のリソースを使わず、相手の反応を見ることに集中できます。研修を「やった気」で終わらせず、現場で使えるレベルまで落とし込むことが大切です。

④マネジメントの仕組み化 – 回し続ける体制を作る

管理職の役割を明確に定義しましょう。管理、教育、コミュニケーション、トレーニングの4つに分解すると整理しやすくなります。特に「トレーニング」の時間確保が重要です。

プレイヤーとして自分が売るのではなく、部下のスキルアップに伴走する姿勢が求められます。仕組みは「作る」だけでなく「回し続ける」ことで、初めて成果につながるのです。

再現性は「悪」ではなく「土台」である

「標準化すると個性がなくなる」という懸念を持つ方もいるでしょう。しかし、再現性と属人化は二項対立ではありません。

再現性とは、アポ10件中1件しか商談化できなかった新人が、3〜4件商談化できるようになる「底上げ」を意味します。基本の型があるからこそ、メンバー全員が一定レベルに到達でき、組織として安定した成果を出せるのです。

そして、型を身につけた上で応用する余地は十分にあります。顧客との会話の間合い、提案のアレンジ、関係構築のスタイル。120点を出すトップセールスの個性は、型という土台があってこそ、より際立ちます。

つまり、再現性のある仕組みは「個性を殺すもの」ではなく「個性を活かすための土台」なのです。トップセールスのノウハウを組織の資産にすることで、全員が成長し、エース一人に依存しない強い組織が生まれます。

まずは自社の営業プロセスの言語化から始めよう

まずは「自社の営業プロセスの言語化」から始めてみましょう。成果を出している営業マンの商談プロセスを観察してください。

顧客の心理変化(無関心→不満→欲求→決断)のどの段階で、どんな言葉を使っているかを書き出します。書き出した内容が「再現できる台本」の原型になるのです。

ただし、社内だけで取り組むと、暗黙知を言語化しにくい面もあります。第三者がヒアリングすることで、本人も気づいていないポイントが見えてくることも少なくありません。

まとめ

営業に「再現性がない」原因は、センスや才能ではなく、構造の問題です。

プロセスの可視化、暗黙知の言語化、型化と反復練習、マネジメントの仕組み化。4つの構造を整えることで、誰でも成果を出せる組織へと変わります。まずは自社の営業プロセスを言語化することから始めてみてください。

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