営業でメンタルがやられる原因と立ち直る5つの実践法
「また断られた…自分はこの仕事に向いていないのかもしれない」
営業でメンタルがやられる経験は、多くのセールスパーソンが抱える共通の悩みです。ノルマに追われ、顧客に断られ続け、同僚と比較される日々。気づけば心が折れそうになっていませんか。
実は、営業でメンタルがやられるのは、あなたの能力不足ではありません。営業という仕事の特性と、ストレスへの対処法を知らないことが主な原因なのです。
この記事では、営業でメンタルがやられてしまう5つの原因と、今日から実践できる5つの対処法を紹介します。さらに、売れるセールスパーソンが実践している独自のメンタル管理術もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
営業でメンタルがやられる5つの原因
営業という仕事には、他の職種にはない独特のストレス要因が存在します。メンタルがやられる主な原因は以下の通りです。
- ノルマ・数字のプレッシャーが重すぎる
- 断られ続けることで自己否定感が強まる
- 顧客からの理不尽なクレーム・暴言
- 同僚との比較で劣等感を感じる
- 長時間労働と単調な業務の繰り返し
それぞれ順番に解説していきます。
ノルマ・数字のプレッシャーが重すぎる
営業職にとって、売上目標や契約件数といったノルマは避けられません。
厚生労働省の調査でも、働く人が強いストレスを感じる要因として「仕事の量」が常に上位に挙げられています。達成が困難なノルマは、精神的に大きな負担となります。
「今月も目標に届かないかもしれない」という焦りや、未達成時の上司からの叱責への恐怖が、日々の業務への意欲を削ぎ、心を疲弊させていくのです。
断られ続けることで自己否定感が強まる
営業の成功率は一般的に3割を切るといわれています。つまり、7割は断られるのが当たり前なのです。
しかし、多くのセールスパーソンは顧客からの断りを人格否定のように感じてしまいます。「自分の提案が悪かったのか」「自分には価値がないのか」と、過度に自分を責めてしまうのです。
この自己否定感の積み重ねが、メンタルを大きく傷つけていきます。
顧客からの理不尽なクレーム・暴言
テレアポや飛び込み営業では、理不尽なクレームや暴言を受けることも少なくありません。
話も聞かずに電話を切られる「ガチャ切り」や、一方的な怒りをぶつけられる経験は、心に深いダメージを与えます。自分は一切悪くないのに悪意をぶつけられることで、ストレスが蓄積していくのです。
同僚との比較で劣等感を感じる
営業職は成績が数値化されるため、同僚との差が明確に見えてしまいます。
特に新人のうちは、同期との比較から逃れられません。上司による比較や、社内での成績表の張り出しなどが、劣等感や焦りを生み出します。
自分のペースで成長できず、常に他人と比べられる環境が、メンタルを追い詰めていくのです。
長時間労働と単調な業務の繰り返し
テレアポやルート営業など、単調な作業の繰り返しもストレスの原因になります。
長時間にわたって同じことを繰り返すと、モチベーションが低下し、業務が苦痛に感じられるようになります。
特に在宅ワークで一人で黙々とテレアポを続けるのは、想像以上につらいものです。
メンタルがやられやすいセールスパーソンの3つの特徴
すべてのセールスパーソンがメンタルをやられるわけではありません。ストレスに弱いセールスパーソンには、共通する特徴があります。
- 完璧主義で100点を求めてしまう
- 事実と感情を分けられない
- 断られることを深刻に捉えすぎている
それぞれ順番に解説していきます。
完璧主義で100点を求めてしまう
メンタルが弱い人は、完璧主義である傾向にあります。
「常に100点を目指さなければならない」という思考が、自分自身に過度なプレッシャーをかけます。失敗を許せず、計画通りにいかないたびに自分を責めてしまうのです。
うまくいかないことを素直に受け入れる心の強さこそ、営業には必要です。60点取れれば十分、8割できれば上出来という考え方に切り替えることで、不要なストレスから解放されます。
事実と感情を分けられない
起こった出来事を過度に悪く解釈してしまう人は、メンタルがやられやすくなります。
たとえば、「契約が取れなかった(事実)」ことで、「自分はダメな営業だ(感情)」と結びつけていませんか。事実は事実として受け止め、過度な自己否定につなげないことが大切です。
雨が降ること自体は自然現象で、良いことでも悪いことでもありません。それを「最悪だ」と解釈しているのは自分自身なのです。商談がうまくいかなかった理由を冷静に分析し、次に活かす。この客観的な視点が、メンタルを守ります。
断られることを深刻に捉えすぎている
メンタルがやられやすいセールスパーソンは、断られることを深刻に受け止めすぎています。
しかし、セールスパーソンは断られるのが仕事です。断られるのは「おはようございます」の挨拶と一緒だと考えましょう。
実は、落ち込むのは暇だからです。次の行動に移れず、失敗を引きずっている時間があるから、メンタルがやられてしまうのです。断られたら、すぐに次の営業に向かう。この切り替えの速さが、メンタルを守る鍵になります。
メンタルを守る5つの実践的ストレス対処法
メンタルがやられそうなとき、すぐに実践できる具体的な対処法は以下の5つです。
- 自分のサービスが世の中に役立つと強く信じる
- 同じ職場に仲間をつくる、もしくはライバルをつくる
- すぐ新規営業に行く・新しいアポイントを取る
- 筋トレなど運動をする
- とにかく色んな人に会う
それぞれ順番に解説していきます。
①自分のサービスが世の中に役立つと強く信じる
営業でメンタルがやられる最大の理由は、自分が提供しているサービスへの自信のなさです。
「本当にこの商品はお客様のためになるのか」と疑問を持ちながら営業していると、断られたときのダメージが何倍にも膨らみます。
まずは、いま自分が提供しているサービスが世の中に役立つと強く信じてください。この信念があれば、断られても「タイミングが合わなかっただけ」と切り替えられます。
商品への誇りこそが、メンタルを守る最強の武器なのです。
②同じ職場に仲間をつくる、もしくはライバルをつくる
一人で孤独に営業をしていると、ストレスを抱え込みやすくなります。
同じ職場に仲間をつくりましょう。悩みを共有できる存在がいるだけで、心の負担は大きく軽減されます。また、切磋琢磨できるライバルをつくるのも効果的です。
「あいつに負けたくない」という健全な競争心は、落ち込んでいる暇を与えません。仲間やライバルの存在が、メンタルを支えてくれるのです。
③すぐ新規営業に行く・新しいアポイントを取る
断られて落ち込んだとき、最もやってはいけないのは立ち止まることです。
すぐに新しい営業に行き、新規のアポイントを取りに動きましょう。行動している間は、落ち込む暇がありません。
営業は確率のゲームです。断られたら、次の可能性に向かって動く。この行動力が、メンタルを守りながら成果を出す秘訣です。
④筋トレなど運動をする
メンタルと身体は密接につながっています。
筋トレやランニングなどの運動は、ストレスホルモンを減らし、幸福ホルモンであるセロトニンを増やす効果があります。身体を動かすことで、心も前向きになるのです。
特に筋トレは、小さな成功体験の積み重ねにもなります。「先週より重いウエイトを持てた」という達成感が、営業での自信にもつながるでしょう。
⑤とにかく色んな人に会う
メンタルがやられているときこそ、色んな人に会いましょう。
社内外問わず、さまざまな人との交流が新しい視点をもたらしてくれます。「自分だけが苦しんでいるわけじゃない」と気づけたり、思わぬアドバイスをもらえたりします。
人と会うことで刺激を受け、停滞していた思考が動き出します。殻に閉じこもらず、積極的に人と関わることが、メンタル回復の近道です。
メンタルを強くする3つの根本的習慣
ここからは、実際に成果を出しているセールスパーソンが実践しているメンタル管理術を紹介します。
①ポジティブシンキングを徹底する
売れているセールスパーソンは、ほとんど全員が前向きです。
営業は元々前向きでないと続けられない仕事です。採用の際も、前向きさを測る質問をすべきでしょう。「こんなにうまくいっていないのに、なぜこの人は前向きなんだろう」と思うくらい前向きな人が、最終的に成果を出していきます。
向き不向きより前向きさが重要なのです。前向きに仕事を続けた結果、じわりじわりと売れるようになったメンバーも実際にいます。
ポジティブシンキングは、後から身につけるのは難しい特性です。意識的に前向きな言葉を使い、前向きな人と関わることで、少しずつ思考パターンを変えていきましょう。
②すぐ反省してすぐ忘れて次に活かす
売れているセールスパーソンは、断られたことをすぐ忘れます。
反省しないのはダメですが、すぐに反省してすぐ忘れ、切り替えて次に行ける人が成功します。うまくいかなかったことをうじうじ引きずる人は、大体うまくいきません。
「あの商談で何が悪かったのか」を3分で振り返ったら、もう忘れて次の行動に移りましょう。この切り替えの速さが、メンタルを守りながら行動量を増やすコツです。
③商談で白黒つける勇気を持つ
売れているセールスパーソンは、必ず商談で白黒つけています。
売れていないセールスパーソンの机を見ると、商談中のお客様がめちゃくちゃ多いはずです。なぜなら、断られてもいないし契約にもなっていないという、白黒つけない商談が多いからです。
売れているセールスパーソンは、断られてもいいから白黒つけようとします。基本的に仕掛かりの商談が圧倒的に少ないのです。
長期ペンディングや長期追客に入れても、滅多に契約にはなりません。失注なら失注としてバシバシ白黒つけ、「どうやって新規の商談を作ろうか」というマインドで仕事をする人のほうが、売れる確率が高いのです。
白黒つける勇気を持つことで、ダラダラと引きずるストレスから解放され、常に新しいチャンスに向かって動けるようになります。
それでも限界なら、環境を変える選択肢も
ここまで紹介した対処法を試しても、状況が改善しない場合もあるでしょう。
その場合、原因はあなた個人ではなく、職場環境にある可能性があります。自分のメンタルヘルスを最優先に考え、時には環境を変えるという決断も必要です。
職場環境が原因の場合は転職も視野に
どれだけ個人のメンタルを強く保とうとしても、以下のような環境では限界があります。
- 上司からのパワハラや過度な叱責が常態化している
- 会社の評価制度が不透明で、努力が正当に評価されない
- 長時間労働が当たり前で、休息が取れない
会社によっては、ノルマを責め立てる上司ではなく、適切にサポートしてくれる環境もあります。勤めている会社が良いか悪いかで、あなたが潰れるか伸びるかが分かれるのです。
営業職そのものが向いていない可能性
営業職には向き不向きがあります。
メンタルが弱いからといって、仕事ができないわけではありません。営業以外の職種で活躍できる可能性は十分にあります。
営業ができなくても、自分を責める必要はありません。別の職種への転換も選択肢の一つとして考えましょう。
まとめ|メンタルは技術で守れる。一人で抱え込まないで
営業でメンタルがやられるのは、決して特別なことではありません。
ノルマのプレッシャー、顧客からの拒絶、同僚との比較など、営業特有のストレス要因が複雑に絡み合っています。大切なのは、まずその原因を正しく理解し、自分を責めないことです。
そして、精神論に頼るのではなく、具体的な行動習慣という「技術」を使って、意識的に自分の心を守り、ケアすることです。
この記事で紹介した5つの実践的対処法と、売れるセールスパーソンの3つのメンタリティを実践してみてください。特に「自分のサービスが世の中に役立つと信じること」「すぐ新規営業に行くこと」「商談で白黒つけること」は、今日からでも始められます。
それでも状況が改善しない場合は、一人で抱え込まず、信頼できる上司や同僚、専門のカウンセラー、転職エージェントなど、外部の力を借りることも検討しましょう。
あなたのメンタルが少しでも軽くなり、営業活動に前向きに取り組めるようになることを願っています。